日本語版心理的特権意識尺度(JaPES)

<概要>

  • 特権意識(entitlement)とは,自分は他者よりも多くのものを得るのが当然であり,多くを得る権利があるという安定して一貫した感覚とされるものであり,自己愛的パーソナリティの一側面として注目される特性である。
  • 心理的特権意識尺度(Psychological Entitlement Scale: PES)は,Georgia大学のW. Kieth Campbell教授に許可を得て邦訳したものである。もとの尺度情報は以下の文献を参照。
    • Campbell, W. K., Bonacci, A. M., Shelton, J., Exline, J. J., & Bushman, B. J. (2004). Psychological entitlement: Interpersonal consequences and validation of a self-report measure. Journal of Personality Assessment, 83, 29–45.
      https://doi.org/10.1207/s15327752jpa8301_04
  • 日本語版PESは9項目で構成されており,「まったくそう思わない」から「強くそう思う」までの7段階で回答を求める形式である。
  • 下司・小塩(2016)では,相澤(2009)が構成した自己愛傾向尺度の下位尺度の1つである「搾取・特権」および上地・宮下(2009)によって構成された自己愛的脆弱性尺度短縮版から「潜在特権」下位尺度を各著者に許可を得たうえで利用し,同時に調査する試みも行っている。

<回答フォーム>

<論文>

  • 心理的特権意識尺度(JaPES)使用時には,以下の文献を引用してください。
    • 下司忠大・小塩真司 (2016). 特権意識の構造と特徴―3つの特権意識に注目して― パーソナリティ研究, 24, 179-189.
      (Shimotsukasa, T., & Oshio, A. (2016). Structure and characteristics of entitlement: Focuses on three entitlements. Japanese Journal of Personality Psychology, 24, 179-189.)
      DOI: 10.2132/personality.24.179 [J-STAGE]
  • 搾取・特権および潜在特権を使用される場合には,以下の文献もあわせて引用してください。
    • 相澤直樹 (2009). 青年期における対人恐怖的傾向と自己愛的傾向を測定する短縮版尺度作成の試み 神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要, 3, 1–9.
    • 上地雄一郎・宮下一博 (2009). 対人恐怖傾向の要因としての自己愛的脆弱性,自己不一致,自尊感情の関連性 パーソナリティ研究, 17, 280–291.