病理的自己愛目録日本語版(PNI-J)

  • 病理的自己愛尺度(Pathological Narcissism Inventory; PNI)は,自己愛の病理性をより反映しながら,誇大性と脆弱性を包括的に測定することを可能にする尺度です。
  • 自己愛全体とともに,自己愛の誇大な側面と脆弱(過敏)な側面,さらに7つの下位側面を測定することができます。
    • 誇大空想:成功や賞賛や承認を得るという補償的な空想にとらわれること
    • 自己犠牲的自己高揚:過度に肯定的な自己イメージを保持するために利他的な行為を意図的に行うこと
    • 搾取性:操作的な対人志向性
    • 権威的憤怒:特権意識に基づく期待が満たされなかったときに生じる怒り感情
    • 随伴的自尊感情:自尊感情の著しい変動の感覚と,賞賛や承認という外的供給源がない時に制御不全となるという自覚があること
    • 脱価値化:必要とされた賞賛をしてこない相手に無関心になり,期待外れの相手からの承認を必要としていたことを恥じること
    • 自己隠蔽:他者に対して自分の失敗や欲求を見せないようにすること
  • PNI-Jは52項目,短縮版は海外の研究と同様の28項目で構成されています。

質問項目

文献

  • 川崎直樹・小塩真司 (2021). 病理的自己愛目録日本語版(PNI-J)の作成 心理学研究, 92(1), 21-30.
    (Kawasaki, N., & Oshio, A. (2021). Reliability and validity of the Japanese version of the Pathological Narcissism Inventory. The Japanese Journal of Psychology, 92(1), 21-30.)
    https://doi.org/10.4992/jjpsy.92.19217

恋愛様相尺度

<概要>

  • この尺度は,高坂(2011)によって整理された,恋と愛を対比した形で捉える恋愛様相モデルに従った3次元の測定を行うものである。
    • 高坂康雅 (2011). 青年期における恋愛様相モデルの構築 和光大学現代人間学部紀要, 4, 79-89.
  • 恋愛様相モデルの3次元は次のとおりである。
    • 相対性—絶対性:「相手を他の人と比較したり自身の条件に合致しているかで評価する」か,「他者との比較を超えて相手の欠点や短所も含めて相手の存在そのものを受容し認める」か
    • 所有性—開放性:「相手を物理的・時間的・心理的に占有し,相手の精神的なエネルギーを自分に向けたままにさせようとする」か,「相手の幸せや成長のために自身の精神的なエネルギーを与える」か
    • 埋没性—飛躍性:「生活や意識の中心が相手や相手との関係になり,相手や相手との関係以外のものに対する関心や意欲が低下する」か,「相手や相手との関係を基盤として,それら以外のものにより一層興味や関心が増し挑戦や努力をする」か

<回答フォームと得点化>

  • 恋愛様相尺度(pdf)
    • 相対性—絶対性 = (No.1 + (7 – No.4) + No.7 + (7 – No.10) + No.13) / 5
    • 所有性—開放性 = ((7 – No.2) + No.5 + (7 – No.8) + No.11 + (7 – No.14)) / 5
    • 埋没性—飛躍性 = (No.3 + (7 – No.6) + No.9 + (7 – No.12)) / 4
    • それぞれ得点が高いほど,絶対性,開放性,飛躍性を意味する。

<論文>

  • 尺度使用時には以下の論文を引用してください。
    • 高坂康雅・小塩真司 (2015). 恋愛様相尺度の作成と信頼性・妥当性の検討 発達心理学研究, 26, 225-236.
      (Kosaka, Y. & Oshio, A. (2015). Development of a Scale of Immature/Mature Love. Japanese Journal of Developmental Psychology, 26, 225-236.)
      DOI: 10.11201/jjdp.26.225

日本語版Big Five Inventory-2(BFI-2-J)

<概要>

  • 日本語版Big Five Inventory-2 (BFI-2-J) は,Big Fiveパーソナリティの5つの特性(外向性 [Extraversion],協調性 [Agreeableness],勤勉性 [Conscientiousness],否定的情動性 [Negative Emotionality],開放性 [Open-Mindedness])を,60項目(各12項目)で測定する尺度である。
  • 5つの特性(ドメイン)にはそれぞれ3つの下位概念(ファセット)が想定されている。ファセットはこれまでの研究から理論的に設定されたものであり,5つのドメインの内容を過不足なくカバーする。各ファセットは4項目で測定される。
    • 外向性:社交性,自己主張性,活力
    • 協調性;思いやり,敬意,信用
    • 勤勉性:秩序,生産性,責任感
    • 否定的情動性:不安,抑うつ,情緒不安定性
    • 開放性:知的好奇心,美的感性,創造的想像力
  • 黙従傾向(どのような質問に対しても「Yes」と回答する傾向)が存在することを考慮し,各ドメインの12項目のうち6項目,各ファセットの4項目のうち2項目が逆転項目になるように構成されている。そのため,全60項目のうち30項目が逆転項目である。
  • 尺度構成論文(Yoshino et al., 2022)での検討内容
    • 論文では,大学生サンプルとオンライン調査で収集したコミュニティサンプルの2つのデータセットを分析している。
    • 個人内中心化をおこなった60項目を用いた主成分分析と各ファセットの平均値を算出し,それら15ファセットの得点を用いた主成分分析の結果から,BFI-2-Jが5つの主成分から構成されることが示された。
    • ドメイン内のファセット構造のモデルについても検討しており,3つのファセットの因子と,それらのファセットとの無相関が想定された方法因子(黙従傾向因子)で構成される統計的モデルの適合度が良好であることが確認された。ただし,外向性と協調性のファセット構造の適合度については課題が残された。
    • 収束的・弁別的妥当性については,他のBig Five尺度や自尊感情との相関係数から確認された。また,Cronbachのα係数については,ドメインレベルでは.74以上であったが,ファセットレベルでは信用と知的好奇心が.60を下回っていた。一方,再検査信頼性はいずれのドメインやファセットにおいても.72以上であった。
    • 年代間(45歳未満と45歳以上)と性別間における測定不変性も検討された。5因子のモデルや各ドメイン内のファセット構造のモデルにおいて,おおむね強測定不変モデル(一部,弱測定不変性モデル)まで支持されていた。従って,年代・男女によって大きく因子構造が異なることはないと結論づけられた。

<質問項目>

<使用時には下記の論文を引用してください>

  • Yoshino, S., Shimotsukasa, T., Oshio, A., Hashimoto, Y., Ueno, Y., Mieda, T., Migiwa, I., Sato, T., Kawamoto, S., Soto, C. J., & John, O. P. (2022). A validation of the Japanese adaptation of the Big Five Inventory-2 (BFI-2-J). Frontiers in Psychology, 13: 924351.
    https://doi.org/10.3389/fpsyg.2022.924351 [Frontiers]

日本語版BFI-2短縮版(30項目版と15項目版)

概要

  • BFI-2-Jの短縮版を作成しています。
  • 海外の先行研究と同じ質問項目を使用し,30項目版と15項目版を構成し,信頼性と妥当性を検討しました。

質問項目

使用時には下記の論文を引用してください

  • 吉野伸哉・下司忠大・橋本泰央・上野雄己・三枝高大・小塩真司 (早期公開). 日本語版Big Five Inventory-2の短縮版の検討 心理学研究, xxx, xxx-xxx. https://doi.org/10.4992/jjpsy.96.24214
    (Yoshino, S., Shimotsukasa, T., Hashimoto, Y., Ueno, Y., Mieda, T., & Oshio, A. (online). Japanese adaptation of short and extra-short forms of the Big Five Inventory-2. Japanese Journal of Psychology, xxx, xxx-xxx.)

二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory; DTI)

<概要>

  • 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory; DTI)は,白か黒か,全か無か,など物事を二項対立的に捉えようとする志向性の個人差を測定する尺度である。
  • DTIは総得点を二分法的思考傾向の指標として扱うこともできるが,3つの下位尺度を個別に扱うこともできる。
    • 二分法の選好(Preference for Dichotomy):物事を2つに分割して整理することで理解が上手くいくと信じたり,そのように整理することで気分がすっきりすると感じたりする傾向。
    • 二分法的信念(Dichotomous Belief):世の中の複雑な事象を対立する2つの事象に整理することが可能であり,世の中の事象が2つのカテゴリに分割されるような特徴を有していると信じる傾向。
    • 損得思考(Profit-and-loss Thinking):分割された2つの事象の内容が自分にとって損(不利益)であるのか得(利益)であるのかを明確化しようとする志向性。

<回答フォーム>

<文献>

  • 下記の論文が刊行されています。
    • Oshio, A. (2009). Development and Validation of the Dichotomous Thinking Inventory. Social Behavior and Personality: An International Journal, 37, 729-742.
      https://doi.org/10.2224/sbp.2009.37.6.729尺度使用時には,この論文を引用してください

      • アブストラクトにはBig Fiveと書かれていますが使用していません。誤植です。
    • Oshio, A. (2012). Relationship between dichotomous thinking and music preferences among Japanese undergraduates. Social Behavior and Personality: An International Journal, 40, 567-574.
      DOI: 10.2224/sbp.2012.40.4.567
    • Oshio, A. & Meshkova, T. (2012). Eating disorders, body image, and dichotomous thinking among Japanese and Russian college women. Health, 4, 392-339.
      DOI: 10.4236/health.2012.47062
    • Oshio, A. (2012). Dichotomous thinking leads to entity theories of human ability. Psychology Research, 2, 369-375. [webpage / final proof]
    • Oshio, A. (2012). An all-or-nothing thinking turns into darkness: Relations between dichotomous thinking and personality disorders. Japanese Psychological Research, 54, 424-429.
      DOI: 10.1111/j.1468-5884.2012.00515.x [Wiley-Blackwell]
    • Oshio, A., Mieda, T., & Taku, K. (2016). Younger people, and stronger effects of all-or-nothing thoughts on aggression: Moderating effects of age on the relationships between dichotomous thinking and aggression. Cogent Psychology, 3: 1244874.
      DOI: 10.1080/23311908.2016.1244874 [Cogent Psychology]
    • 上野雄己・三枝高大・小塩真司・中澤 史 (2017). スポーツ競技者における二分法的思考と心理的健康,成長感との関連 法政大学スポーツ研究センター紀要, 35, 27-32.
      (Ueno, Y., Mieda, T., Oshio, A., & Nakazawa, T. (2017). Relationships among dichotomous thinking, psychological health, and feeling of self-growth in athletes. The research of physical education and sports, Hosei University, 35, 27-32.) [リポジトリ]
    • 上野雄己・三枝高大・小塩真司 (2017). スポーツの競技特性要因と二分法的思考との関連 健康心理学研究, 30, 35-44.
      (Ueno, Y., Mieda, T., & Oshio, A. (2017). Correlations between factors characteristic of competitive sports and dichotomous thinking. Journal of Health Psychology Research, 30, 35-44.)
      DOI: 10.11560/jhpr.161124063 [J-STAGE]
    • 向井智哉・三枝高大・小塩真司 (2017). 厳罰傾向と“不合理な”思考 法と心理, 17, 1-9.
      (Mukai, T., Mieda, T., & Oshio, A. (2017). Punitiveness and “irrational” thinking. Japanese Journal of Law and Psychology, 17, 1-9.)
    • Jonason, P. K., Oshio, A., Shimotsukasa, T., Mieda, T., Sitnikova, M., & Csathó, A. (2018). Seeing the world in black or white: The Dark Triad traits and dichotomous thinking. Personality and Individual Differences, 120, 102-106.
      DOI: 10.1016/j.paid.2017.08.030 [Elsevier]
  • 日本語での解説は,次の論文をお読み下さい。
    • 小塩真司 (2010). 二分法的思考尺度(Dichotomous Thinking Inventory)の特徴 ―これまでの検討のまとめと日常生活で重視する事柄との関連― 中部大学人文学部研究論集, 23, 45-57. [PDF]

日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J)

<概要>

  • 日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J)は,Big Fiveパーソナリティの5つの特性(外向性[Extraversion],協調性[Agreeableness],神経症傾向[Neutroticism],勤勉性[Conscientiousness],開放性[Openness])を,10項目(各2項目)で測定することを試みる尺度である。テキサス大学のGoslingらが開発したTIPIの日本語版であるが,直訳を避け対応する翻訳の意味範囲内でBig Five構造が維持されるように意訳されている。その上でバックトランスレーションを行い,開発者の確認を得た。
  • 各特性は,正方向の項目と負方向の項目のペアで測定される。
    • この2項目のペアは,内的整合性よりも測定範囲の広さを重視して構成されている。
    • 各特性が2項目のみで構成されることからも,本尺度における内的整合性は大きな意味をなさないが,再検査信頼性については十分な値が得られることが示されている。
  • 現在使用されている多くのBig Five尺度との間で妥当性が検証されており,TIPI-Jで測定される5特性が,いずれの尺度で測定されるBig Fiveの5特性ともおおよそ対応することが示されている。

<回答フォーム>

<論文>

  • 以下の論文が刊行されました。尺度使用時はこの論文を引用してください。
    • 小塩真司・阿部晋吾・カトローニ ピノ (2012). 日本語版Ten Item Personality Inventory (TIPI-J)作成の試み パーソナリティ研究, 21, 40-52.
      https://doi.org/10.2132/personality.21.40
      (Oshio, A., Abe, S., & Cutrone, P. (2012). Development, reliability, and validity of the Japanese version of Ten Item Personality Inventory (TIPI-J). The Japanese Journal of Personality, 21, 40-52.)
  • 追加的に妥当性を検証した論文
    • Oshio, A., Abe, S., Cutrone, P., & Gosling, S. D. (2013). Big Five content representation of the Japanese version of the Ten-Item Personality Inventory. Psychology, 4, 924-929.
      https://doi.org/10.4236/psych.2013.412133
    • Oshio, A., Abe, S., Cutrone, P., & Gosling, S. D. (2014). Further validity of the Japanese version of the Ten Item Personality Inventory (TIPI-J): Cross-language evidence for content validity. Journal of Individual Differences, 35, 236-244.
      https://doi.org/10.1027/1614-0001/a000145
  • 日本人のBig Fiveの発達変化を検討した論文
    • 川本哲也・小塩真司・阿部晋吾・坪田祐基・平島太郎・伊藤大幸・谷 伊織 (2015). ビッグ・ファイブ・パーソナリティ特性の年齢差と性差—大規模横断調査による検討— 発達心理学研究, 26, 107-122.
      (Kawamoto, T., Oshio, A., Abe, S., Tsubota, Y., Hirashima, T., Ito, H., & Tani, I. (2015). Age and gender differences of Big Five personality traits in a cross-sectional Japanese sample. Japanese Journal of Developmental Psychology, 26, 107-122.)
      https://doi.org/10.11201/jjdp.26.107
  • 以下の論文も参考にしてください。
    • 岩佐 一・吉田祐子 (2018). 中高年者における「日本語版Ten-Item Personality Inventory」(TIPI-J)の標準値ならびに性差・年齢差の検討 日本公衆衛生雑誌, 65, 356-363.
      https://doi.org/10.11236/jph.65.7_356
    • 鷹阪龍太・山田一成 (2019). 公募型Web調査におけるTIPI-Jの利用可能性の検討 社会心理学研究, 35, 19-27.
      https://doi.org/10.14966/jssp.1807

日本語版Dark Triad Dirty Dozen(DTDD-J)

<概要>

  • マキャベリアニズム,サイコパシー,自己愛の3特性は相互に正の相関関係にあり,他者操作性などの観点から共通性をもつ。そしてこれら3特性はその共通性から“Dark Triad”と総称されることがある。
  • 日本語版Dark Triad Dirty Dozen(DTDD-J)は,12項目(各特性4項目)で,Dark Triadの3特性を測定しようと試みる尺度である。
  • DTDDはウェスタン・シドニー大学のJonasonが開発した尺度であり,DTDD-Jはその翻訳版である。

<回答フォーム>

<論文>

  • 尺度使用時には以下の論文を引用してください。
    • 田村紋女・小塩真司・田中圭介・増井啓太・ジョナソン ピーター カール (2015). 日本語版Dark Triad Dirty Dozen (DTDD-J) 作成の試み パーソナリティ研究, 24, 26-37.
      https://doi.org/10.2132/personality.24.26
      (Tamura, A., Oshio, A., Tanaka, K., Masui, K., & Jonason, P. K. (2015). Development, reliability, and validity of the Japanese Version of Dark Triad Dirty Dozen (DTDD-J). The Japanese Journal of Personality, 24, 26-37.)

日本語版強欲傾向尺度(J-DGS)

<概要>

  • 強欲(greed)は,「より多くの物を得ることを望む経験と飽き足らない不満」「より多くの物を求める飽くなき欲望」(Seuntjens, Zeelenberg, Breugelmans, & Van de Ven, 2015),「常により多くを求め,現状に決して満足しない傾向」(Seuntjens, Zeelenberg, Van de Ven, & Breugelmans, 2015),「より多くの資源やお金を求める飽くなき欲望」(Krekels & Pandelaere, 2016)などと定義される個人差特性である。
  • 日本語版強欲傾向尺度(Japanese version of the Dispositional Greed Scale:J-DGS)は,Seuntjens, Zeelenberg, Van de Ven, & Breugelmans(2015)によって作成されたGDSの邦訳版である。

<回答フォーム>

<論文>

  • 増井啓太・下司忠大・澤田匡人・小塩真司 (2018). 日本語版強欲傾向尺度の作成 心理学研究, 88, 566-573.
    (Masui, K., Shimotsukasa, T., Sawada, M., & Oshio, A. (2018). The Development of the Japanese version of the Dispositional Greed Scale. Japanese Journal of Psychology, 88, 566-573.)
    https://doi.org/10.4992/jjpsy.88.16240

日本語版心理的特権意識尺度(JaPES)

<概要>

  • 特権意識(entitlement)とは,自分は他者よりも多くのものを得るのが当然であり,多くを得る権利があるという安定して一貫した感覚とされるものであり,自己愛的パーソナリティの一側面として注目される特性である。
  • 心理的特権意識尺度(Psychological Entitlement Scale: PES)は,Georgia大学のW. Kieth Campbell教授に許可を得て邦訳したものである。もとの尺度情報は以下の文献を参照。
    • Campbell, W. K., Bonacci, A. M., Shelton, J., Exline, J. J., & Bushman, B. J. (2004). Psychological entitlement: Interpersonal consequences and validation of a self-report measure. Journal of Personality Assessment, 83, 29–45.
      https://doi.org/10.1207/s15327752jpa8301_04
  • 日本語版PESは9項目で構成されており,「まったくそう思わない」から「強くそう思う」までの7段階で回答を求める形式である。
  • 下司・小塩(2016)では,相澤(2009)が構成した自己愛傾向尺度の下位尺度の1つである「搾取・特権」および上地・宮下(2009)によって構成された自己愛的脆弱性尺度短縮版から「潜在特権」下位尺度を各著者に許可を得たうえで利用し,同時に調査する試みも行っている。

<回答フォーム>

<論文>

  • 心理的特権意識尺度(JaPES)使用時には,以下の文献を引用してください。
    • 下司忠大・小塩真司 (2016). 特権意識の構造と特徴―3つの特権意識に注目して― パーソナリティ研究, 24, 179-189.
      (Shimotsukasa, T., & Oshio, A. (2016). Structure and characteristics of entitlement: Focuses on three entitlements. Japanese Journal of Personality Psychology, 24, 179-189.)
      DOI: 10.2132/personality.24.179 [J-STAGE]
  • 搾取・特権および潜在特権を使用される場合には,以下の文献もあわせて引用してください。
    • 相澤直樹 (2009). 青年期における対人恐怖的傾向と自己愛的傾向を測定する短縮版尺度作成の試み 神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要, 3, 1–9.
    • 上地雄一郎・宮下一博 (2009). 対人恐怖傾向の要因としての自己愛的脆弱性,自己不一致,自尊感情の関連性 パーソナリティ研究, 17, 280–291.

IPIP-PIC-J

<概要>

  • この尺度は対人特性を分類し,円環状に配置した対人円環モデル(Interpersonal Circumplex)の測定を行う尺度である。
  • Markey & Markey(2009)は,International Personality Item Pool (IPIP)を利用して8特性を32項目で測定する尺度の構成を試みた。IPIP-IPC-Jは,この日本語版である。

<回答フォーム>

<論文>

  • 尺度使用時には以下の論文を引用してください。
    • 橋本泰央・小塩真司 (2016). 対人円環モデルに基づいたIPIP-IPC-Jの作成 心理学研究, 87, 395-404.
      (Hashimoto, Y. & Oshio, A. (2016). Development of a Japanese version of the International Personality Item Pool-Interpersonal Circumplex. Japanese Journal of Psychology, 87, 395-404.)
      https://doi.org/10.4992/jjpsy.87.15215